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港北区 人物風土記

公開日:2021.10.07

アグリテックグランプリ2021で三井化学賞を受賞した
古川原 琢さん
中原区在住 40歳

農業の世界は面白い

 ○…食、農、環境、水資源、バイオマス等の社会課題解決をテーマに、起業家の発掘育成等を目的とした「アグリテックグランプリ」に出場し、小型除草ドローンで入賞した。出身大学の教授が水田の除草ドローンを開発していることを知り「畑の草取りに応用できないか」と相談したのがきっかけだったという。共同研究で昨年も応募したが、最終選考には残れなかった。「今年は技術としてほぼ完成できたのが良かったのでは」と笑顔を見せる。

 ○…2013年から港北区内で新規就農者として古川原農園を営む。普段は有機農法で作った野菜を区内や都内などの自然食品のチェーン店に出荷する。「研修先の農家が有機農法の野菜を宅配していたので自分もと考えていたが、日吉の自然食品店に(野菜を)置いてもらったら好評で。そこから今の形になりましたね」。19年には株式会社化し、現在農地面積は約1haに拡大。「今後も規模の拡大を目指している」と力強く語る。

 ○…都内出身。野菜や花を育てる「変わった子どもだったかも」と幼少期を振り返り、苦笑い。中高一貫校から東京大学農学部に。卒業後は大手合繊会社で営業・マーケティング職として勤務した。農家になる転機は、土いじりがもともと好きで、都市農業に可能性を感じていたことや、テレビ番組で新規就農した人を偶然見たり、独立起業を目指していたことからだったという。

 ○…妻と6歳の長女と3人暮らし。「作った野菜は自宅に毎日持ち帰る。娘は肉や魚より、野菜が好きな子に育った」と満足そう。また「周囲からは色々言われたが、農業はとても面白い仕事」とも。ホップやバナナの路地栽培など遊び心も持ちながら、農業の新たな可能性を切り開く。

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