港北区 コラム
公開日:2025.08.27
2025横浜市長選・回顧〈下〉 山中市政2期目へ
対話にSNSを活用も
「全部の質問に答えることは難しく、申し訳ない。それでも、市長に当選しても皆さんとの対話は続けていく」――。横浜市長選投開票日前日の8月2日、候補者の福山敦士氏は動画サイトのライブ配信で、視聴者に向けて語りかけた。
ネットを活用した選挙活動が当たり前になる中、今年7月の参議院議員選挙では、SNS戦略にたけた国民民主党や参政党が40代以下を中心に支持を拡大。市長選でも各候補者が演説会の告知や自身の主張を述べるなど、SNSでの情報発信に注力した。中でも田中康夫氏は、「X」(旧ツイッター)のフォロワーが7万人を超えており、選挙期間中も1日で数十もの投稿を続け、大きな発信力を持っていたといえる。
候補者を知る機会に
その中で、SNSや動画サイトを”対話のツール”として活用する様子が目立ったのが福山氏だ。選挙期間中は、ライブ配信を複数回実施。230以上のコメントが寄せられた日もあり、「子どもが遊べるような公園の整備について、どう考えるか」「市長になったら、まず何に着手するか」といった視聴者の質問に答えた。また、ネット上などでの自身への批判に対しても、自らの言葉で回答することに努めていた。「有権者にとって、候補者を知る機会として、SNSでの情報提供は有効だったのではないか」と福山氏は分析する。
一方、当選した山中竹春氏は、利用者が多い「X」は使わず、インスタグラムなどの投稿もあったが、内容は街頭演説の事後報告が中心。アカウントは事務局名義となっている。各SNSのフォロワー数は100人前後と少なく、田中氏と比べても発信力に大きな差があった。また、他の5候補者が参加したネット討論会に、山中氏の姿はなかった。
ネット世論と結果に乖離
それでも山中氏の圧勝となった市長選。SNS上で山中氏への批判が多く見られた現状も踏まえ、福山氏は「『SNS世論』と結果に大きな乖離があった印象。組織票の影響が大きいと感じた」と振り返る。
しかし、NHKが今年3月から5月に行った調査では、選挙の投票先を決める際、最も参考にするメディアとして、30代以下でSNSや動画共有サービスが最も多く選ばれた。もはや、選挙戦略はSNSを抜きに語れない時代となった。
山中氏に対して市民との対話が少なかったという声もある。SNSが台頭する中で、どのように市民の声へ耳を傾けるのか。山中氏の2期目は8月30日に始まる。
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