株式会社テクニカンの代表を務める 山田 義夫さん 区内在勤 73歳
自然に学び技術に生かす
○…パックした食品をマイナス30℃のアルコールで冷凍する液体凍結機「凍眠」を開発。鮮度や品質が高いまま長期保存できると流通業界や飲食店で話題を集めている。「我々は機械屋、私たちの持つ技術を一般の人々に伝えられれば」と先月、凍眠を使い冷凍した食品を販売するT O MIN FROZENを仲町台に開店させた。「凍結技術を食品を通じ広めていくことで日本のSDGsに貢献していきたい」
○…東京都出身。少年時代からずっと自然に憧れ、山や古民家、ツリーハウスで遊んだ。「勉強はさっぱりだったけど、興味のあることには集中できたね」とにやり。サーフィンや乗馬も小さい頃からお手のものだ。「自然の中で過ごすと人間が自然に勝てないことがよく分かる、ものづくりは自然の摂理に添わせることが大切なのでは」
○…外食産業が伸びてきた40年前のこと、当時働いていた食肉加工業では、注文増加に応えるべく早く大量に冷凍することが求められた。「何かできないか」と開発したのが凍眠だ。それまでに24時間かかった冷凍時間を10〜20分までに短縮させた。液体に注目したのは、気温が同じでも水中の中だと冷たく感じたダイビングの経験からだ。少年時代の学びは今に繋がっている。「人生に失敗はない。成功するまでは全部経験だからね」と現在も開発は続く。
○…冷凍技術が食品廃棄ロスの減少や飢餓の救済役立つと見込まれ、2018年に国連で講演を行った。「ありがたいことに世界に注目されている、もっと頑張っていかなくては」と精を出す。休日の楽しみは自らユンボに乗り開拓した山で過ごすこと。「土日は働かないよ、仕事は任せるようにしてる」。メリハリある時間の使い方が躍進の秘訣かもしれない。
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