国による大気汚染防止法の2020年改正※により、石綿(アスベスト)の飛散防止のため、建物の解体時のみでなくリフォーム工事の手続きも厳格化している。
10月からは有資格者による事前調査が義務付けされ、業者への規制が一層強化される。横浜市は「消費者も業者が調査などの手続きを遵守しているか気をつけて」と啓発している。
肺がんなどを引き起こすリスクから現在は使用が禁止されている石綿。10月1日から改正されたルールでは、作業者や周辺住民の健康を守るため建物の解体やリフォームの際に必要とされる石綿に関する事前調査を「調査資格を有する者」が行わなければならないこととなった。
事前調査は施工業者に義務付けられているもの。対象工事箇所に石綿が使用されているかを書面や目視等で事前調査する必要があるほか、行政への報告、発注者への説明等も行う。石綿が使用されている場合は定められた方法で除去などが必要で、違反した場合には罰則も設けられている。
年約2万件が対象
横浜市内では年間約2万件が対象工事となっているが今後も増加傾向にあり、建物の解体は全国的に2028年頃にピークを迎える。
市内のあるリフォーム会社は数年前から準備を開始し、1年前には現場担当者全員が調査資格を取得。「まだ資格者を置いていない業者や今取り掛かっている業者もあると思う」と同社担当者。また「解体業者はまだしも、小規模なリフォームの業者は制度を把握していないこともあるのでは」とする。
消費者も関心を
市環境創造局では各業界団体を通じて新制度を周知し、市内をパトロールして解体現場などでの指導も実施。担当者は「改正法は工事を発注する人にも情報提供や費用負担の協力を求めている。消費者として業者に対して法定の調査を求めることは、社会全体としても大事」とする。
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