都筑区 社会
公開日:2025.12.11
「支援の糸」でつながる社会
元ヤングケアラーが講演
ヤングケアラーについて理解を深め、地域でできることについて考える研修会が11月22日、かけはし都筑で開かれた。
横浜市と区内を中心に不登校支援などの活動を続けるNPO法人アーモンドコミュニティネットワーク(ACN、水谷裕子代表理事)の共催で、区内で子どもや青少年、福祉、介護、外国人支援などに携わる団体の関係者らを中心に約30人が参加した。
研修会は2部構成で、1部ではヤングケアラー当事者で一般社団法人ヤングケアラー協会代表理事の宮崎成悟さんが自らの体験を交え、ヤングケアラーの現状や支援の在り方について紹介。2部ではACNの水谷さんの音頭で参加者が3人ずつのグループになり「今、自分たちができる事」について語り合った。
「家族任せ」の日本
難病を発症した母を、中学生だった15歳の時から17年間に渡り、家族の中心となってケアしてきた経験を持つ宮崎さん。ヤングケアラーという言葉も知らず、自身が「当事者とも思っていなかった。『なぜ妻のケアを子どもに任せるのか』と、仕事の忙しかった父が責められるのも辛かった」と当時の思いを赤裸々に語り、「28歳の時にヤングケアラーという言葉と出会い、自分だけじゃなかったことに驚愕した」と振り返った。
宮崎さんは、デンマークやフランスの例を上げ、身体や精神だけでなく社会的にも健康な「ウェルビーイング」の考えが息づいているヨーロッパと違い、日本は「リスクが無ければ『家族任せ』になりがち」と指摘。自身がケアしていた時に「自分のことを気にかけ、話しかけてくれた大人の存在がありがたかった」と語り、「ヤングケアラーでも健やかに暮らせる社会にするため、行政や福祉、医療、教育などまざまな分野が連携し、支援の糸をたくさん垂らすネットワークができれば」と支援の将来像を語った。
「できる事あるはず」
参加者の1人、横浜薬科大学4年生の女性は、地域課題の解決に取り組む横浜市の事業「地域共生ハッカソン」のメンバーとして参加した。女性は自身のこれまでを振り返り、「自分の周りにも(ヤングケアラーが)いたかもしれない」と改めて気づかされたという。また宮崎さんの話を聞き「自分がヤングケアラー当事者のことを思う感情と、実際に当事者が思っている感情の違いに気づかされた」と正直な気持ちを吐露した。将来、薬剤師を目指す女性は「ヤングケアラーは家族のために薬局に頻繁に訪れると聞くので、薬剤師は家族の困り事などに気づける立場。ヤングケアラーについての知識を持っていれば、コミュニティにつなげるなど、薬剤師だからこそできる事があるはず」と前を向いた。
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