若葉台に"本のある部屋" 旧西中の図書室を再利用
幅広い世代向けの憩いの場として、若葉台市民図書館「SOLA(そら)」(瀧本総一郎館長)が6月3日、オープンした。同施設は旧若葉台西中学校の図書室を再利用し、市民ボランティアが運営。地域交流の拠点として期待される一方で、設備や人手不足などの課題も抱えている。
同施設の愛称は、地元の人だけでなく、「誰でも気軽に立ち寄れる図書館に」との思いから、「SOLA」(空)に決定した。
蔵書数は旧若葉台西中学校の廃校以前からあった所蔵本と、市民からの寄贈本を含めた約7千冊。寄贈後の登録処理が追いつかず、保管されている約2千冊を合わせると約9千冊だ。
一方で、市立旭図書館の蔵書数は約12万8千冊という。蔵書数では及ばないが、市民からの寄贈本が中心のため、俳句や園芸全集など珍しい書物も一部含まれる。また乳幼児連れの親子や子どもが楽しめるように、今後は絵本や漫画本も充実させる方針だ。
同施設の宮本利行事務局長=若葉台=は「来てくださる方々の反応は上々。予想外の本があることに驚く人も多い」と手応えを感じている。
SOLAがある旧若葉台西中学校は、2007年3月に学校統合のため廃校に。そこで地元の「NPO法人若葉台スポーツ・文化クラブ」(南宏市朗理事長)が同校の利活用を模索し、図書室の再利用を計画。市民ボランティアを募り、実現にこぎつけた。
旭区の担当者によると、現在この建物は学校開放事業の一つとして同団体が臨時管理しており、管理者が決定するまでは現状のままでの運営が続くという。
人手と資金に課題
施設運営は15人の図書委員と約40人の登録ボランティアが担っている。メンバーは図書館司書の経験者や製造業、サービス業経験者など多彩な顔ぶれだ。それでも、業務を円滑に進めるためにはまだまだ人手不足の状態という。
また、完全市民運営のため、財源の中心は寄付で賄っているのが現状だ。蔵書を管理するためのシステムの充実や、本棚設置などにかかる運営費の工面も課題の一つとなっている。
宮本事務局長は「本はきっかけにすぎない。地域に交流の場を提供することが大切」と思いを語る。
開館日は火、木、土、日曜。問い合わせは若葉台市民図書館SOLA【電話】045・744・5973へ。
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