戸塚区・泉区
公開日:2023.05.18
第88話 道で見かける石仏 〜堅牢地神〜
とつか歴史探訪
神社や道端で「堅牢地神」とか「地神塔」の文字が刻まれた石塔を見かけることがあります。堅牢地神(けんろうじしん)は、仏教の「地天」に由来します。天部の神々の中で梵天が天を象徴するのに対し、地天は地を象徴する神とされます。多くは花瓶や盛花器を捧げた姿で表されます。日本の民間信仰では地を堅固に守る神との考えから農村の守護神として信仰されました。
戸塚区には20基余りの堅牢地神・地神塔があり北は品濃町から南は東俣野町まで広く分布しています。仏教関連の神でありながら寺にはなく、神社或いは農地に建っています。神社にあるものも元は農地にあったのかもしれません。庚申塔などと違い、比較的新しく広まった信仰のようで、18世紀に遡るものはなく、6基は明治時代のものです。区内で一番古いのは東峯八幡宮の文化13年(1816)のもので、珍しい五角柱の塔の各面に「天照大伸」ほかの神名が刻まれています。台石に「五穀成就」、「農業繁昌」の文言が見られます。舞岡八幡宮の明治8年のものは、力強く「堅牢地神」の文字が刻まれた堂々たる石碑です。汲沢五霊神社には2基が並んでいます。台石には「講中」と刻され、地神信仰の講があったことが知られます。
戸塚区内にあるのは文字塔ばかりですが、横浜市内には5基の像刻塔があります。緑区鴨居の地神塔は市内で一番古く享和3年(1803)の銘があり、花を挿した花瓶らしきものを持った女神像が彫られています。
江戸時代の初期には庚申塔が圧倒的ですが、後期になると馬頭観音、堅牢地神、二十三夜塔などが増え、信仰の多様化が窺われます。
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