県立氷取沢高校の防災委員が7月13日と15日に、学校周辺の街歩き防災マップを作成した。災害時に高校生も地域の力になれないかと、今年度から新たに始めた取り組みを取材した。
同校ではこれまで、災害時を想定した集団下校訓練を年1回行ってきたが「高校生も災害時に地域の力になれないか」とのことから、マップ作りを行った。仙台市出身で実家が東日本大震災で被災した同校の片倉正博教諭が企画。片倉教諭は震災の翌日に被災地を訪れ、避難所で住民のために行動する現地の高校生を見て「高校生も地域の力になれる」と感じたという。
マップ作りには校内の防災委員約30人が参加し、7月13日に同校周辺を5グループに分かれ街歩き調査を実施。調査では、公園などの広いスペースがある場所や消火栓、公衆トイレ、自動販売機などの災害時に役立つ場所、崖や狭い道、落下物が予測される危険な場所を確認しながらデータ収集を行った。
2日目となった15日は、災害現場とはどういった様子だったのか、高校生ができることを考えながら東日本大震災のハイライト映像を視聴。映像を踏まえ、13日に集めた情報をグループごとに協議し、大判地図に街の状況を記すマーカーやカラーシールを貼りマップを作成した。
総括では、各グループから担当エリアでの災害時に役立つ良い点や悪い点、高校生の力が必要になりそうなところを発表。「消火栓が多く火災に対応しやすい」「トンネルがあって涼しい」「老人ホームや小学校が密接しており高校生の人手が必要になりそう」といった高校生ならではの視点から例を挙げていた。
マップづくりを企画した片倉教諭は「高校生ならではの視点から気付くことも多く、勉強になった。今回参加した生徒は防災への意識向上のきっかけにして、さらに別の生徒にも伝えていってほしい」と話した。
マップ作りに参加した2年生の佐伯勇海さんは「普段意識していないところを防災というキーワードで歩くことで新たな発見があった。参加をきっかけにさらに防災への知識を身に付け、ボランティアなどにも積極的に参加したい」と振り返った。
同校では、こうした取り組みを来年度以降も継続して行いたい考えで、さらに精度やエリアを広げていきたいとしている。
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