新たな設置・運営主体を募っていた県立汐見台病院(栗原英明院長)の移譲先が、県内を中心に病院や福祉施設、看護学校などを展開する「ふれあいグループ」の中核的な医療法人「康心会」(大屋敷芙志枝理事長)=茅ヶ崎市=に決定した。現在の「地域の総合病院」としての役割を引き継ぎ、来年4月から同法人による運営がスタートする。
公立民営病院として1979年の開設以来、県医師会が運営してきた汐見台病院。225床の一般病床と15の診療科を設置し、これまで、地域の総合病院としての役割を果たしてきた。
同病院は16年3月末で県医師会による指定管理期間が終了することから、4月以降も総合病院として存続させるため、県以外の設置・運営主体を検討してきた。県では公募に際し▽現行の病院運営の継続▽移譲を理由とした運営費などの特別補助はなし▽最低10年の運営継続など、8つの移譲条件を提示。7月9日には候補者を選定するプレゼンテーションが行われ、公募に応募した4つの医療法人が選定委員会(委員長・土屋了介県立病院機構理事長)の委員らの前で経営計画案を発表した。
地元の要望捉え高評価
今回移譲先に選ばれた「康心会」は茅ヶ崎市に本部を置く医療法人。常勤職員1681人(医師104人、看護師465人)を抱え、県内を中心に病院や老人保健施設など32施設を運営する。市内でも鶴見区や戸塚区などで病院や医療系大学などを運営している。
同法人の提案は「地域の医療ニーズや地元の要望を的確に把握しており、移譲後も堅実な病院運営が期待できる」と、選定委員会から高い評価を受けた。
特に評価が高かった項目は、現行の15診療科に加え精神科など4つの診療科を新設するほか、回復期リハ病棟や地域包括ケア病棟の計画、救急搬送患者に24時間365日対応する「二次救急拠点病院」をめざすといった「診療機能」の項目。「医師・看護師の確保」といった点でも、自らのグループで医療関連教育機関を運営していることや、県内の複数の医療系大学とのつながりがあることに関して高い評価を受けた。
同法人は選定結果に対し「プレゼンテーションでは汐見台病院がこれまで担ってきた地域医療を地道に継続していく方針を示した。リハビリテーションの分野など、グループとしての他地区での経験や、市内のグループ施設との連携を図り、地域医療の充実に務めたい」と話している。
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