消防出初式で永年勤続消防団員表彰「横浜市長50年表彰」を受けた 鈴木 正實(まさみ)さん 港南台在住 71歳
燃え尽きぬ思い、半世紀
○…新年を飾る消防出初式の式典で、永年勤続消防団員表彰「横浜市長50年表彰」を受けた。火災や自然災害時に消防署の出動命令が下ると現場に駆けつけ、消防士とともに地域の安全を守る消防団員。半世紀もの長きにわたる活動を称えられた受賞にも、「続けられたのは家族と消防団の先輩や仲間がいたから。とても1人では続けられなかった」と、真っ先に口にするのは周囲への感謝の言葉だ。
○…港南台で生まれ育つ。かつてはほとんどの建物が木造で冬には山火事も多く、整備されていない大岡川は台風で氾濫することがあった。そんな有事の際、最前線で地域を守っていた消防団員の姿に憧れ、「自分も何か社会に貢献したい」と20歳の時に入団を決意した。それからは会社員や中華料理店店主、コンビニエンスストアのオーナーなど職を変えながらも消防団員は継続し、現在は区内にある5つの分団をまとめる団本部で副団長を務めている。
○…お気に入りの場所は円海山。「港南区を一望できるところが好き。晴れた日には遠くに富士山も見える」とニッコリ。そのほか畑での野菜作りはリフレッシュのひと時。「今の時期は大根や白菜、ほうれん草が旬。自分の作った野菜で作る料理は美味しい」と話し、収穫した野菜は近所の人に配ることも。人を喜ばせることが好きな性分のようだ。
○…昔は出動要請で深夜に叩き起こされることもあったが、夫人は「気をつけて行ってらっしゃい」と常に気丈に送り出し、その存在は大きかったという。50年間活動を続けた原動力には、地域への思いと家族の深い理解があったから。だからこそ、今消防団が抱える団員の減少や高齢化などの課題には「特に大規模災害時には消防団の役割が重要になる」と危機感を持ち、「若い世代にも参加してもらいたい」と強く願う。地域の防火防災に尽した半世紀を振り返り、「消防団は生き甲斐」と一言。その言葉には誇りがにじんだ。
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