真宗高田派・成就院の第27代住職として新本堂の落慶法要を執り行った 花園 親弘(ちかひろ)さん 笹下在住 56歳
「ありがたい」を忘れずに
○…本堂の建て替えは約130年ぶり。建物から仏具に至るまで気を配り、木材・製造はいずれも国内の物にこだわった。「一新する機会は多くないからこそ、しっかりした物を造りたかった」。物心両面で支援してくれた総代・世話人をはじめ檀信徒に対する感謝は勿論だが、落慶法要の場では設計や建築に携わった関係者にも感謝状を贈った。内容は1枚1枚異なり「それぞれの分野で持ち味を発揮していただいた。おかげでこの上なく良い物に仕上がった」と胸をなで下ろす。
○…生家は東京都港区赤坂にある、成就院と同じ真宗高田派の澄泉(ちょうせん)寺。仏教は幼いころからすぐそばにあり、「皆がお寺に来て手を合わせる、その光景が日常だった」。20歳の時に縁あって成就院の副住職になったが、東京とは人付き合いの距離感も違い、当初は戸惑うことも。だが振り返れば、「東京からやってきて、今こうして地域に入らせてもらっていることはありがたく、それは年々深く大きく感じられている」。
○…前住職の逝去を受け、30歳で住職に。また1男1女の父として、日下小、笹下中のPTA会長を務めたが、「本当は、注目されるのが苦手」と明かす。今年6月からは、本山専修寺(せんじゅじ)の関東別院(大田区西六郷)で輪番を務めるなど、多忙な日々。留守の間は、長男で副住職の親賢(ちかよし)さんに任せており、「今後一層、檀信徒さんとのコミュニケーションを大事にしていってもらえたら」と期待を込める。
○…成就院は改宗から数えて800年を超える。「多くの人の関わりで寺は続いてきた。1人ひとりの命と同じ様に」。先祖代々、途切れることなく続いてきた命のバトンが、今の「生」に繋がっている。「忙しい世の中だけど、素直に『手を合わせること』を大事にしてもらえたら」。それはつまり、感謝の気持ちを持つということ。便利な物にあふれる現代だからこそ、忘れがちな「ありがたい」という気持ちを広めゆく。
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