港南区・栄区 人物風土記
公開日：2020.08.20
今年度から港南図書館の館長として各種企画に取り組む
鈴木 裕子さん
港南図書館館長 60歳
ただ待つだけではなく
○…今年３月まで戸塚区役所で副区長を務め、再任用で４月から港南図書館長に。市職員として最初に務めたのが港南保健所（現・港南福祉保健センター）といい、「ご縁のある港南区で新たな仕事ができるのが楽しみ」と胸を躍らせていた。その矢先の「緊急事態宣言」。誰もが経験したことのない状況の中、「できないなら、どうしたらできるか考えてみよう」と前を向き続ける。
○…今春、予約の受付を含めすべての業務を停止したのは、図書館としても初めてのことだった。「再開後により気持ちよく利用していただけるように」と本の修理や書架の整理・移動といった作業を進める中、返却ポストに「心待ちにしています」と書かれた手紙が投かんされたという。「職員一同大きな励みになった」と苦しいだけの時間ではなかった。
○…中区出身。子どもの頃は母が買ってくれた少年少女文学全集の届くのをいつも楽しみにしていた。『若草物語』など作品の主人公に感情移入し、一人静かに本の世界に没頭した。だが、仕事と子育て、さらには親の介護など慌ただしい日常のなかで読書に耽る時間からは長らく遠ざかっていた。図書館長になることが決まって久しぶりに本を借りてみると、「受け取った時にすごくわくわくしちゃって」と懐かしい感覚に思わず心を弾ませたという。
○…社会福祉職を専門としてきたこともあり、常に人に寄り添う姿勢で「この人は何に困っているのか、何を求めているのか」と思いを巡らす。それは図書館で調べ物をする人の助けにもなる。「困った時に図書館に行ってみようと思えるような、頼りになる場所でありたい。そのためにもただ待つだけでなく、いろんな人や団体と積極的に連携していきたい」
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