「お互いさまねっと公田町団地」の代表として多目的拠点を運営する 有友 フユミさん 栄区公田町在住 75歳
「なんとかしなきゃ」一心で
○…かつて団地内の一角にあったスーパーはコンビニになり、13年前にシャッターを下ろした。「真っ暗な空き店舗になってしまい、あぁよくないなって」。その思いで多目的拠点「いこい」を整備し、運営を担い続けてきたことがこのほど内閣府のエイジレス・ライフ「社会参加章」として称えられた。「自分たちも楽しみながら、できることをできる範囲でやってきただけなのに」と驚きを隠さない。
○…当時、青少年指導員として地域活動に参加していた。民生委員が全員定年を迎えるタイミングで「誰かがやらなきゃいけないなら」と役を担うことに。行政の協力も受け、住民の意見を集めて空き店舗の活用方法を模索しながら、買い物が困難な人に向けた「あおぞら市」をはじめた。「いつも気軽に、じゃあやってみましょ、で始まるの」と笑顔を見せる。
○…愛媛県出身。結婚後は市内にある社宅で暮らしていたが、抽選が当たり1976年に公田町団地へ。やがて生まれた2人の息子は野球少年になり、自身もソフトボールに汗を流した。子どもたちも成人して団地を巣立ち、今では夫との二人暮らしに。「やっぱり思い入れもある。もう終の棲家です」。そんな中で中心にすえているのが、「お互いさま」という感覚だ。「自分たちが自分たちの地域で助け合っていくだけ。やってあげているって意識はない」
○…活動当時、団地住民は顔の見えない関係になりつつあったが、「いこい」は今、さまざまな人が立ち寄る場所になっている。「気をつけて帰ってね」「またね」。そんな何気ない日常の交流は、そこにいつも「誰か」のいる場所があるからという。「ひとつずつの積み重ねがあって今がある。周りのお手伝いのおかげ」と優しく笑む。
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