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中区・西区版 公開:2013年1月1日 エリアトップへ

「もっと地域から必要とされるクラブに」 横浜FC取締役会長奥寺康彦さん

公開:2013年1月1日

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 日本人として初めて欧州のトップリーグで成功を収め、現役引退後は指導者、経営者として日本サッカーを牽引してきた横浜FC会長の奥寺康彦さん。昨年8月には「日本サッカー殿堂」入りも果たした。世界を知り尽くした「オク」が見据える横浜FC、そして地域スポーツの未来とは―。

 ―昨年は日本サッカー協会が功労者を称える「日本サッカー殿堂」入りを果たしました。

 「考えてもいなかったことなので本当に驚きました。選手としては18人しかいないそうで、自分でいいのかな、とも思いましたが周りの人たちが喜んでくれたことが何よりうれしかったですね」

 ―横浜FCの2012年を振り返ると、J1へあと一歩のところまで迫りました。

 「岸野靖之監督の下で3年目を迎え、期待を抱いてのシーズンでしたが開幕から結果が出ず、山口素弘監督を迎えることになりました。山口新監督が明快なコンセプトと競争を持ち込んだことでチームに緊張感が生まれ、また結果が伴ったことで選手に自信がついて少しずつ上位に上がることができました。J1には届きませんでしたが、まずは満足いくシーズンが送れたと思います」

 ―悲願のJ1へ上積みをしていく部分は?

 「全てのポジションで補強が必要と考えています。うちは予算の多いクラブでないだけに大変ですが、実績がなくても山口監督が求めるサッカーを実現できる選手を獲得していきます。サポーターやスポンサーに喜んでもらえるにはやはり勝利しかない。もちろんJ1昇格を目標にプロとしてあくまでも結果にこだわっていきます」

 ―昨年Jリーグは20周年、横浜FCも13年目を迎えました。

 「横浜FCはフリューゲルスの消滅という事件を契機にできたわけですが、熱い気持ちが集まれば、事は成し遂げられるのだなと、感慨深い思いです。この13年間、紆余曲折がありましたが、再びJ1を目指せるようなクラブになったことを誇りに思います」

 ―改めて地域にJクラブがある意義とは?

 「プロチームがあることは地域に色々な刺激を与えます。スポーツには経済の面だけでない色々な波及効果があって、それは人々の喜怒哀楽に直接つながります。これはアマチュアではなかなかできないことだと思います」

 「ドイツに渡った時、地域がクラブを支える仕組みに驚きました。子どもは学校が終わればクラブでスポーツをし、お年寄りはカフェに来ている。サッカークラブが地域コミュニティーの核として存在しているんです。Jリーグは100年構想を掲げてスポーツ文化の普及を目指していますが、日本ではスポーツが本当の意味で文化として根付いていない。我々もまだまだですが、地域の人に自分たちの誇りと思ってもらえるようなチームになっていきたいですね。もっともっと地域とつながりたいし、つながっていきたいと思います」

 ―スポーツを通して地域とつながるために、クラブとして今後、何に取り組んでいきますか?

 「これまで通り地域のイベント等への選手の参加は積極的に行います。また、昨年6月に総合型地域スポーツクラブ(一般社団法人横浜FCスポーツクラブ)を設立しました。その最初の取り組みとして女子サッカーチームの横須賀シーガルズと提携して、なでしこリーグを目指します。ゆくゆくは様々なスポーツを楽しめるような場所にしていきたいと考えています」

 ―現在、多くの日本人選手がヨーロッパで活躍しています。先駆者として世界のトップを目指す子どもたちにアドバイスを。

 「すごくシンプルなことで、サッカーを好きになれるかどうかだと思います。好きならばうまくなりたいという向上心が芽生えるはず。もう一つは『考える』こと。言われたことだけをやるのではなく、自分の特徴を知り、自分に必要なことが何かを常に考えてほしい。あとはいい指導者に出会うことですが、これ(良い指導者の育成)も私たちの使命だと思っています」

■プロフィール/1952年秋田県生まれ。相模工業大学附属高校卒業。77年に西ドイツの名門1FCケルンでデビューし、ヨーロッパのトップクラブでプレーする初の日本人に。9年間でブンデスリーガ235試合に出場、25得点をあげた。引退後は東日本古河サッカークラブGM、ジェフユナイテッド市原監督などを経て、99年の横浜FC設立当初からGMや社長として経営に携わる
 

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