横浜市は、港湾機能の強化を目的として、本牧埠頭の南東沖合に約140haの埠頭増設を検討している。来年改訂の港湾計画に明記する予定だ。
市港湾局企画調整課では、2期におよぶ整備計画を立てており、1期目の完成を2020年代後半と見込む。予算規模は未定。
横浜港は、国から「国際コンテナ戦略港湾」の一つに指定されており、同課では、今回の整備は戦略港としての機能強化の一環として位置付けている。
同課によると、近年、長さ20フィート(約6・1m)のコンテナを1万本以上搭載可能な超大型船が増加しており、今回計画する埠頭付近は、超大型船に必要な18mの水深を持つ。さらに、複数のコンテナ船が接岸できる1千m級の岸壁を将来構想として描く。
埠頭増設と並行して、市は大型客船の旅客岸壁の整備も行う。
高さ55mの制限から、大型客船が横浜ベイブリッジをくぐることができないケースが過去に3回あり、現在、市が進めている港湾機能集約にともない、ベイブリッジの本牧側に1100m(水深12m)の岸壁整備が可能になった。
世界では30位に入らず
横浜港の2012年のコンテナ(20フィート)取扱量は、308万本で東京港に次いで国内2位。しかし、世界では30位以内にも入っていない。その理由について同課では、中国や韓国の港湾の低コストを挙げる。一方で「北米航路を考えると地理的優位性はある」として、今後、一層の機能強化を進める方針だ。
「抜本的な見直し必要」
港湾運送の事業者らからなる横浜港運協会の企画部部長、水上裕之さんは、今回の増設計画について、機能強化は重要としつつも、「この程度の規模では、海外との競争には到底太刀打ちできない」と話す。
水上さんによると、横浜港のコンテナの取扱量は07年をピークに減少しているという。中国や韓国は、国家戦略として港湾整備を実施しているのに対して、「日本は、地方自治体が港湾管理者となる制度。仕組みを抜本的に見直す必要性がある」(水上さん)と指摘している。
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