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中区・西区・南区 社会

公開日:2016.08.04

伝統の味これからも
本牧で創業88年のそば店

 本牧通り沿いの「本牧栄屋そば店」=中区本郷町1=では、この季節になると客のほとんどが頼むというメニューがある。お目当ては夏期限定の「冷やしたぬき」(850円)。創業88年になる老舗そば屋の名物だ。

 朝作ったサクサクの天かすに刻みナルト、中央に紅ショウガ、そしてキュウリではなく茹でキャベツが特徴。「夏はこれを食べないと」という常連客も多い。

 同店は「栄屋」の屋号で昭和3年に創業。当時横浜で「天丼の美味しい店」としても有名だったという。しかし、3代目が体調不良より2014年3月に閉店を決定。当時常連が口々に閉店を惜しむなか、近所に住む高坂茂さん(64)が、「皆ここのおそばが大好き。なくしたくなかった」と、飲食店経験が全くないなか自ら継ぐことを決意。30年間パートで働いていた山本智津子さん(63)を店長に抜擢し、閉店からわずか2カ月後の同5月に「本牧栄屋そば店」として、近くの場所で移転再開させた。

 始めの1年間は先代に教わりながら、出汁の取り方から学んだ。メニューや味は一切変えていないが、そばは粉の配合にこだわり、機械打ちの自家製麺にした。「『(味が)変わらないね。美味しい』と言ってもらえるのが嬉しい」と高坂さん。

 店は新しいが、テーブルや椅子、「栄屋」の屋号が入った箸入れなどは当時のまま。そばは高坂さん、以前はホールだった山本さんが、揚物や盛付けなどを担当する。「移転してから2年経った今でも、ここで再開していたことを知らずに驚く人が多い」と山本さん。二人三脚で伝統の味を守り、100年を目指す。

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