三浦市立小学校の元養護教諭で現在、平和の大切さを伝える語り部として活動する高徳えりこさん(50)が、伯父の母校である中区の本町小学校で1月11日に平和教室を開いた。
伯父・高橋峯好さんは同校出身で、17歳の若さで特攻隊員として南の海に散った。その伯父の母校での平和学習とあって「夢がかなった」と感慨深げに話す。
6年生約120人を前に高徳さんは、国家総動員法や徴兵制など戦前の社会状況をはじめ東京大空襲、沖縄戦、広島・長崎の原子爆弾などをスライドや映像を使って説明した。戦況悪化により導入された特別攻撃隊(特攻)の隊員が出撃前に家族にあてた遺書や遺髪を紹介し、戦争の悲惨さを訴えた。高徳さんは過去は今につながっているとして、児童たちに「今、自分にできることは何かを考え欲しい」と語りかけていた。
話を聞いた柿澤克樹君(12)は「戦争の怖さを改めて知った。精一杯生きることが大切だと思った」と感想を述べていた。
若い世代に平和を
高徳さんは語り部をはじめて1年。きっかけは戦後70年を記念した画報誌との出会いだった。掲載されていた特攻隊員の目元が亡き父に似ていたことから、母に尋ねたことで親族に特攻隊員がいたことを知る。その後、同期兵だった荒木幸雄さんの生涯が綴られた書籍『ユキは十七歳 特攻で死んだ』(毛利恒之著)を読み伯父の足跡をたどった。そして遺族の視点から若い世代に平和を伝えたいという思いに駆られるように。平和教室は地元三浦が中心で横浜は初めて。著者の毛利さんから伯父の母校での開催を勧められ実現した。
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