横浜市は丘陵地帯が多く、震災などが起きた際に水道管の破裂などが原因で断水状態に陥る可能性が高いとされている。その際、最も重要なのが飲料水の確保。市総務局と水道局は、消火栓を活用(緊急給水栓)することで飲料水を確保できるとし、そのための試行を3月18日、区内峰沢町で地元自治体の協力のもと行った。市内初の試み。
今回試行された「消火栓を活用した飲料水(緊急給水栓)の確保」は、初めに東京都で実現に向けた動きが起こり、横浜市でも実施する流れとなった。
市内には、災害時の応急給水を目的に134基の災害用地下給水タンクと23カ所の配水池、358カ所の緊急給水栓が整備されている。これらは地域防災拠点の小・中学校や公園などにあり、現状では近場で飲料水を確保するのが難しい地域も存在する。保土ケ谷区は坂が多く高齢者率も高いため、そのような地域が多いとされる。消火栓を活用することで、飲料水確保の利便性が向上する。
安全性問題なし
消火栓は市内全域に約5万3000カ所設置されている。水は、通常家庭に届く水道水と同じ水道管を使用しているため、安全性に問題はない。また、本管から直接引かれているため、地震が起きた際に破損する確率も低い。ただし、水道管は公道内に通されており消火栓の多くも道路内に設置されている。災害時、公道は緊急車両の通行が最優先されることから、道路内の消火栓を飲料水の確保に活用することは困難だ。
消火栓を活用する際は、蛇口の設置など様々な器材を要し、器材類の管理など地元自治会の負担も増える。そのため、住民の協力体制が整っている地区を精査しつつ、順次試行を行っていくと言う。実際に活用できる消火栓の数は、現在調査中で今回の峰沢地区での試行は、その第一弾として行われた。
高齢者でも設置可能
この日は市水道局員の指導のもと、峰沢団地自治会の住民らが実際に蛇口の設置までを体験した。マンホールの開閉作業に少し力が必要な以外は、ほとんどがワンタッチで接続などできる簡易な作業となっている。そのため、高齢者でも設置は可能だ。
実際に開栓作業を行った小堤昭さん(峰沢団地自治会)は、「自分たちでもできるとわかったので、今日体験できて良かった。もし地震がきても大丈夫だと思う」と喜んでいた。
市水道局の翠川和幸保全課長は「今日やってみた上での住民のみなさんの意見を聞き、今後ほかの地域で実施する際の参考にしたい。(作業手順については)徐々にマニュアル化していければ」と話した。
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