保土ケ谷区 人物風土記
公開日:2016.12.01
「全ほどスリッパ卓球選手権大会」の初代王座に就いた
森山 泰年さん
川島町在住 50歳
「やるからには頂点を」
○…寒風吹きすさぶ和田町駅前に雄叫びがこだまする。スポーツ万能な雰囲気を醸し出す男の手にはスリッパ。そのラケットから放たれる強烈なスマッシュを武器に、136人がエントリーしたスリッパ卓球大会の頂に立った。派手なガッツポーズとスリッパとは思えぬハイレベルな「ラケット捌き」に、それまでアトラクションを楽しんでいるような雰囲気だった会場の空気感は一変。「やるからには頂点をとる。それしか考えていなかった」
○…自身を「突き詰めるタイプ」と評するように、スリッパ卓球専用ラケットを探し出し取り寄せるなど、この2カ月間はスリッパ卓球を極める時間となった。「ほかの参加者とはちょっと違った温度感だったかもしれません。子どもたちに『圧倒的に勝つ』と宣言していましたので。いつも厳しいことを言っているのでね」。父親としての威厳を懸けての挑戦だった。
○…ペダルがなく足でこぎ進む幼児用の二輪車として近年広まりを見せ、公園などで楽しむ姿が見られる「ストライダー」の世界でも名の知れた存在だ。3年前に当時5歳だった長男がストライダーレースの世界大会を制覇。以来、週末の練習会には指導を仰ぐ親子が県外からも訪れる。「指導するのは2歳から7歳くらいまでの子ども。ですが厳しく指導している。『人に負けない気持ち』『諦めない気持ち』を育てたいんです」。卓球台を前に見せた気迫みなぎる目に戻った。
○…勤務先から2人の子どもたちが通う学童保育に立ち寄り、スポーツセンターに向かうのが森山家の日常。「『巨人の星』」みたいな世界ですよ」。星一徹ばりの厳しい姿勢でバスケットボールのコーチングに汗を流す。「早く自分の存在を追い越して欲しい。簡単には超えられない壁になり続けることが自分の父親としての役割ですかね。父親は怖い存在でいいじゃないですか。奥さんの理解あってこそですが」
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