上菅田特別支援学校(佐塚丈彦校長)の初等部の児童と旭区の上白根中学校の生徒が、障害の有無に関わらず理解し合えるきっかけ作りにしようと10月に開催されるパラリンピック種目「ボッチャ」の神奈川県大会に合同チームを結成し出場する。15日には両校から10人の子どもたちが参加し初めての練習が行われた。
「ボッチャ」は欧州で考案された障害者スポーツで2020年東京パラリンピックの正式競技となっている。赤と青の球を6球ずつ投げたり、転がしたりし、ジャックボールと呼ばれる白いボールにおいかに近づけるかを競い合う。多くの人が参加しやすいスポーツとして近年では障害者と健常者の相互理解を図るきっかけ作りとして中学校などで競技を体験するケースも増えてきている。
今回の合同チーム結成は昨年まで上白根中の教壇に立った後、特別支援学校に勤務する木下学教諭(38)=人物風土記で紹介=が大きな役割を果たした。上白根中では特別な支援を必要とする生徒が在籍する学級「個別支援学級」が設置されており、同教諭は一般生徒と個別支援学級の生徒を分け隔てなく接するような空間づくりに努めてきたという。
「学校内だけでなく、学校間でも障害の有無に関わらず理解しあえるきっかけを」と横浜市が行っている教員交流制度を使い昨春に上菅田特別支援学校に赴任。着目したのがボッチャだった。障害を持つ児童が居住地域の学校との教育交流でボッチャを通じ、お互いの理解を深めている姿を見て、「近隣の学校とボッチャを通じた交流ができないか」と佐塚校長に相談。上白根中が呼びかけに応じる形で合同チームの結成が実現した。
同じチームで大会へ
15日に行われた初練習では上菅田特別支援学校初等部の5年生4人と上白根中の生徒6人が参加。初等部の児童たちがボッチャのルールを説明したのち、練習と試合を行った。はじめはお互いに遠慮していたが、次第に打ち解け合い1投ごとに作戦を話し合うなど、練習に熱が入っていた。同中学校3年の中村文哉さんは「時間が経つにつれて打ち解け楽しく活動できた。大会に向けてさらに練習したい」と話した。木下教諭は「健常者と障害者がお互いに理解できるきっかけを作り、これをモデルとして他の学校や地域にも普及させていくものにしていければと」話している。
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