上菅田町の笹山商店会にある蕎麦屋「長寿庵」(瀬戸定雄店主)が1月下旬から上映されている映画、「愛唄―約束のナクヒト―」(1月25日公開)のロケ地としてスクリーンに登場している。
同映画はボーカルグループの「GReeeeN」が脚本参加し、実際に起きた体験をもとに描いた青春ラブストーリー。横浜流星さんや清原果耶さんらが出演し、長寿庵は劇中において主人公の母親が定食屋を営む店という設定で度々登場している。
映画の配給元である東映(株)のラインプロデューサー・石川貴博さんらは、昨年の2月頃から全国各所を下見し、その中で昭和情緒の雰囲気を色濃く残す同店と商店街に川村泰祐監督も気に入り、その後も何度も入念に検討を重ね、撮影協力を依頼。同店の店主、瀬戸さんは「開店して45周年という節目を迎えたこともあり、やらせてもらおう」と快諾した。
ロケは4月中旬の2日間、1階の店内と2階の居住スペースで終日にわたり行われ、撮影のようすを見守った瀬戸さんは「いい経験をさせてもらった。映画が上映されたあと、何人かロケ地めぐりに来てカメラに収めているので、商店街を知ってもらうきっかけとなってくれれば」と笑顔で話し、石川さんは「風情のある場所で良い映像が撮れた。同地で撮影されたシーンをぜひ劇場で見てもらえれば」と話した。
マイナスを逆手に
笹山商店会は高度経済成長期の1964年に笹山団地の誕生に合わせて発足。活気に満ち溢れていたが、大型商業施設の進出や高齢化、団地離れが全国的に進み、商店街が衰退する中、同商店会もシャッターを閉める店が相次いでいた。
しかし、笹山商店会の長田直美会長によると、トタンでできているアーケード街が珍しいことや昭和を感じさせる雰囲気から、映画会社などから撮影オファーが寄せられ、ドラマやポスターの撮影が行われているほか、レトロな雰囲気を見に訪れ、SNSにアップしている人もいるという。長田会長は「映画会社から注目されてオファーが来てくれるのは嬉しいこと。過疎化により商店が閉まりシャッター街が多くなる中、マイナスで捉えるのではなく、これを逆手に商店街の魅力として発信し、イベントを開くなどし、若い世代にもアピールできれば」と今後に向けて期待を寄せた。
同映画は全国で上映されており、市内でも横浜ブルク13やイオンシネマみなとみらいなどで上映されている。
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