権太坂境木自治会で150号の発行を迎えた「安全・安心たより」の発案者 寺山 洋司さん 55歳
「できることを全力で」
○…「嬉しくて涙が出そう」。副署長として保土ケ谷に帰ってきたと同時に、権太坂消防出張所長時代に発行した『安全・安心たより』が150号の節目を迎えた。密に連携を取り、地域の防火防災に尽力した田中会長(当時)との再会は、思い出話に花が咲く。「お世話になった皆さんがお元気で、私を覚えていてくださって。改めて人の縁を感じています」
○…着任当時の権太坂出張所は開設10年ほど。サイレンへの苦情など、住民の理解があまり得られていない状況だった。「地域と一緒に安全安心を進めたい」との思いから、近隣小学校の登校時の旗振りやフリーマーケットの開催、庁舎前を花畑にするなど自ら率先して「顔の見える出張所づくり」に尽力。すると次第に周りに人が増えていった。「既成概念をぶっ壊して、消防署を身近に感じてほしかったんです」と振り返る。
○…4歳のとき父がバイク事故にあい、病院へ搬送されるも1週間後にこの世を去った。時が過ぎ、自身が高校生になる頃。母が「あのとき救急隊がもっといい病院に運んでくれていれば--」とこぼすのを初めて聞いた。「その言葉で救急隊になろうと決めたんです」。それまで迷っていた体育教師や警察の候補を捨て、救急隊になるためにまっすぐに消防士を目指した。
○…「頼まれると断れない性格」から、地元小学校の地域防災拠点運営委員や青少年指導員などを務めた経験も。障害者支援に明るく、文字を音声化する音訳ボランティアにも挑戦する。「青春の忘れ物を取りに」とギター教室に通い始めたり、韓国語を学んだりとプライベートでもアクティブだ。「できることを後悔せずにやり切りたい」。公私に通ずる思いはこの言葉に尽きる。
|
<PR>
|
|
|
|
|
|
|
<PR>