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公開日:2022.12.01
新桜ヶ丘在住中村雅雄さん
幻のハチの巣を採取
仏向町の森で個体確認し
新桜ヶ丘に暮らすスズメバチ研究家・中村雅雄さん(74)が仏向町の森でその生態から「乗っ取り屋」とも呼ばれるチャイロスズメバチの巣を採取した。中村さんによると「絶滅危惧種に指定されている蜂で県内では樹液場で観察されたことはあるが、巣が採取されたのは初めてではないか」と話している。
スズメバチを50年以上に渡り研究している中村さんが「幻」と称するチャイロスズメバチは、スズメバチ特有の黄色と黒の縞模様がない真っ黒な腹部が特徴。女王蜂は他のスズメバチの女王蜂を殺して巣を乗っ取り、その巣の働きバチに自身の子育てを手伝わせて繁殖するという、独特の習性をもち、人に危害を与えることもあるという。
16日に及ぶ追跡調査
自宅近くの仏向町の森でクヌギの樹液を吸う個体を見つけ追跡調査を開始。飛んでいく方向や樹液場に戻ってくるまでの時間などから、巣がある場所をある程度は絞り込んだが、中々発見することはできず、調査開始から16日目に森に隣接する民家の2階の板壁の中に巣を見つけ出した。「言葉で言い表せない感動だった。途中、体調を崩したが知的好奇心が勝った」と、その瞬間の思いを話す。
家主に事情を話し、知り合いの大工の協力を得て採取した巣は高さ40cm・直径16cm、9段で構成され2585室を確認。採取した巣を研究した結果、新たな知見も得られたことから、論文として発表する方向で準備を進めているという。
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