戻る

保土ケ谷区 トップニュース文化

公開日:2023.06.22

峰岡町神輿
四半世紀ぶりに宮入り
前会長の遺志継ぎ渡御

  • 神輿が橘樹神社の境内に到着し盛り上がりは最高潮に

 6月10日・11日に行われた橘樹神社の例大祭。各町による神輿渡御や露店の出店など、4年ぶりに完全な形での祭りが帰ってきた。中でも峰岡町の神輿会は一昨年に逝去した前会長の遺志を継ぎ、四半世紀ぶりの悲願となる橘樹神社への宮入りを果たした。

 天王町や鎌谷町など各町で神輿渡御が行われる橘樹神社の例大祭だが「一際大きく立派」と評されるのが峰岡町の神輿だ。昭和11年に作られたとの記録が残っているこの神輿は、神輿のまちと呼ばれる千葉県行徳地区の職人によるものとされている。高さ約2m、躍動感のある龍の木彫りなどが特徴で、当時の金額で「家が一軒建つくらいのお金」を住民が出し合って作られたという。

 戦時中も空襲を乗り越えたが、戦後の高度成長記を境に宅地化が進み、担ぎ手も減少。町内から橘樹神社までは国道16号を横断する必要もあり、神輿を神社まで担ぐ形での宮入りは1998年を最後に行われず、町内を練り歩くのみだった。

 更に新型コロナウイルス感染症の拡大により神輿渡御自体も中止を余儀なくされるなか、神輿会の会長を長年務めていた中村幹男さんが一昨年に逝去。

 酒席では「宮入りさせたい」と度々話していた前会長の想いを実現させようと、峯岡幼稚園園長の西山俊太郎さん=人物風土記で紹介=が新会長に就任。天王町をはじめとする他町の神輿会からの協力も得ながら神輿のメンテナンスや毎月の定例会を行い、1年かけて渡御当日の6月10日を迎えた。

令和初の境内へ

 紺色の法被を着た神輿会によって、神輿は昼前に峰岡第二公園を出発。中村前会長の自宅などを経由し、夕方には国道16号を越えてイオン天王町ショッピングセンターの前に到着。西山会長の掛け声とともに露店のあいだを神輿が練り歩き、途中には前会長の孫が神輿の上に立つ場面も。そして神輿が橘樹神社の鳥居をくぐると、盛り上がりは最高潮に。多くの人に見守られ、四半世紀ぶりの宮入りを果たした。

 渡御のあいだ、幹男さんの遺影を掲げていた妻の初枝さんは「孫が神輿の上に立った様子を見て感動しました。夫と私と孫は誕生日が一緒なんです。昭和の若者が担いだ神輿を、令和の若者が担ぐ姿を見られて感無量です」と胸の内を語った。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

保土ケ谷区 トップニュースの新着記事

保土ケ谷区 トップニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS