保土ケ谷区 社会
公開日:2023.08.17
英連邦戦死者墓地
170人が戦没捕虜を追悼
大使館関係者ら平和へ祈り
狩場町にある英連邦戦死者墓地で8月5日、第二次世界大戦中に日本軍の捕虜となり亡くなった英連邦兵士を追悼する礼拝が行われ、各国の大使館関係者や市民ら170人ほどが参列し、戦没者への祈りを捧げた。
「決してあなたのことを忘れません」「最愛の息子よ」「安らかに」「あなたはいつも私たちの心の中にいます」―。そこに眠る人の名と没年月日、年齢が刻まれた墓石の銅版には家族からの思いを記したメッセージが刻まれている。
手入れの行き届いた芝生が広がる英連邦戦死者墓地には第二次世界大戦時に日本軍の捕虜となり、収容所で命を落とした英連邦(イギリス・カナダ・ニュージーランド・オーストラリア・インド・パキスタン)諸国の兵士ら1876人が静かに眠っている。
英連邦は1917年に戦死者の遺体は本国に送還せず、階級差になく現地で埋葬するということを決定。狩場町の丘の上にあるこの墓地は46年に保土ケ谷錬成場を進駐軍が接収し、英連邦の戦没者の墓を集め造成された。かつては故エリザベス女王や故ダイアナ妃ら要人も訪問している。
追悼礼拝は日本軍が進めたタイとビルマ(現ミャンマー)をつなぐ「泰緬鉄道」の建設現場で旧日本陸軍通訳を務めた故永瀬隆氏らが呼びかけ、終戦から50年の節目となった95年に始まった。29年目となったこの日の礼拝では、スコットランドの民族楽器・バッグパイプが独特の音色を奏でる中、イギリス地区を始め各国の墓地を巡り、花を手向け、平和への祈りを捧げた。
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