聖隷横浜病院の病院長で、地域に根差した病院運営に取り組んでいる 大内 基史さん 岩井町在勤 62歳
人間性重んじる医療を
○…「患者さんの笑顔が見たい」-。2003年から続く聖隷横浜病院の病院長を2年前から務めており、医療だけでなく患者に楽しみを与えることも大切にする。国内では昨年から今年にかけて年間3万人以上が新型コロナを主病名に亡くなっている。「コロナとの闘いはまだ続く。感染症対策を徹底した上で院内行事を盛り上げたい」と責任感をにじませる。
○…茨城県で縫製工場を営む家に生まれた。父親の後を継ぐために努力する兄の姿を見て、「自分も将来について真剣に考えなければ」と思い医師を志した。北里大学病院などでの勤務を経て、2008年に聖隷横浜病院に入職。呼吸器外科の医師として多くの命を救ってきた。同科は炎症性疾患の手術に力を入れ、県外から来院する人もいる。「炎症性疾患を専門とする医師が全国的に少ない中、こだわりを持ち役割を全うしたい」と熱い思いを語る。
○…病院長を野球のポジションに例えると捕手で職員をリードするのが役割だという。「みんなでつくる聖隷横浜病院」をテーマに、職員のアイデアや意見を尊重する。10月23日に入院患者を対象に行われた秋祭りの準備には多くの職員が携わり、楽しみを創出した。「常に優しさや思いやりの心を忘れずに、患者さんに寄り添う職員たちを誇りに思う」と称える。
○…ウォーキングが日課で医者の不養生という言葉とは無縁。「お金をかけずに健康を維持できる習慣。肺が悪い人には足の運動が良いですよ」と笑顔で推奨する。座右の銘は「やって見せ言って聞かせてやらせて見せ、褒めてやらずば人は動かじ」。職員に何かを求める時は自身が実践し、命令口調にならずに相手に敬意を払う。人間性も重視した医療で住民の健康を守り続ける。
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