保土ケ谷区 社会
公開日:2025.06.05
大空襲から80年 平和誓う
日本被団協・和田さん講演
1945年の横浜大空襲から80年となった5月29日、被爆者や中学生らが平和への思いについて語る市主催の講演会が市役所で行われた。
最初に、昨年ノーベル平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の事務局次長で、鶴見区在住の和田征子さんが基調講演を行った。
和田さんは1歳10カ月の時に長崎の爆心地から2・9Kmのところで被爆。当時の記憶はないが、両親らから聞いた状況を説明した。爆風によって家の中のものが粉々になり、山を越えて逃げてくる人は性別もわからないほどの状態で、母親が水をあげたり、体を洗ったりしていたという。家の隣の空き地に多くの遺体が運ばれ、焼くことが繰り返されたため、「母親は人間としての感覚がなくなってしまった」と述べた。
声上げ続け ノーベル賞
和田さんは米国で生活し、帰国後、約40年前から日本被団協の活動に携わるようになった。「広島、長崎に続いて3回目の原爆が落とされたら、核兵器が使われたら世界はどうなるかということを訴えてきた」と語り、ノーベル平和賞については、「一人ひとりの力は小さい。私のような拙い証言であっても、声を上げ続けたことが受賞につながった」とした。若い世代には、「戦争や平和について知り、共感して、行動を起こしていただきたい」と訴えた。
その後は平和学習を続ける南区の南中学校の発表と港北区出身の俳優・五大路子さんらの演劇団体「横浜夢座」による大空襲を経験した少女の手記を基にした朗読劇があった。
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