区役所主催の「わが町 かながわ とっておき」写真教室で講師を務める 高須賀 豊重さん 大口通在住 81歳
「写真の楽しさ伝えたい」
○…多くのカメラ好きが足繁く通う、大口1番街の「ペンギンカメラ」。現在は会長として店を継いだ息子らを支え、神奈川地区センターや横浜そごうで写真教室も開いている。10月24日・27日には、区役所で写真教室の講師を務める。「シャッターを押すだけじゃ写っているだけ」。同教室ではカメラの仕組みを知り、それぞれが求める構図を作れるよう指導する。「カメラを知ればもっと写真が楽しくなる。それをみんなに伝えたい」。そう身を乗り出して語る。
○…愛媛県は松山、道後温泉の近くで育つ。高校1年生の時にカメラを買ってもらったが、自分の思い描く写真が撮れなかった。「どうしてだろうって。この日からカメラの仕組みを勉強するようになった」。そして「被写界深度」をテーマに、絞りとシャッターの動きを研究した。社会人になってからは、警察の鑑識として写真担当を務め、自衛隊でも通信班でカメラを構えた。雪の中、隊員たちがロープを伝って歩く姿を捉えた1枚は『雪と隊員』と題し、人生で最も記憶に残っている1枚だという。
○…ペンギンカメラを開店し、店で初めて写真教室を開いたときは1人しか来なかった。「たった1人、鶴見警察の警官だった」。その後、顧客の紹介で横浜そごうでの写真教室を担当することになった。「あの人に出会わなかったら、多くの人に教えられる機会はなかっただろう」と振り返る。7年前には東京工芸大学芸術別科で1年間カメラの勉強をするなど、カメラへの探求に余念がない。
○…「生きる」をテーマに作品集を制作中。「なかなかいいのが撮れなくて、まだ4枚だけ」と困ったように笑う。妻と息子2人、孫に囲まれて暮らす。「感性だけではうまく撮れない。カメラの仕組みを知れば楽しみが増える。それを一人でも多くの人に知ってもらいたい」。カメラへの愛だけじゃない、カメラを愛する人への愛もいっぱいだ。
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