神奈川私学修学支援センターを運営する、県私立中学高等学校協会の理事長 工藤 誠一さん 高島台在勤 64歳
人の温もり感じる教育を
○…県内の私立中高に在籍する不登校生徒の学びの場となる神奈川私学修学支援センターを、高島台に今年度開校した。「私立に来てくれた子どもたちを卒業までフォローしたい」という生徒愛が設立の原動力。「1校では難しくても、私立校同士が力を合わせればできることがある。センターなら学校教育では補い切れない個々への対応を行えるし、生徒も環境を変えて違う尺度から物事を見ることで元気になれるのでは」と、長年の構想でこぎつけた船出に顔がほころぶ。
○…センターを運営する県私立中学高等学校協会の理事長になり10年。子どもたちの学校選択の幅を広げようと、私立と公立間の学費格差を減らすために尽力してきた。理事長として常に意識する私学の役割は「個の独立、群の創造」。横並びの型にはまった教育でなく、多様性を生徒たちから引き出して世界で通用する強い個を育成し、さらにクリエイティブさを発揮していくために共感力のもとにネットワークを構築する。「包容力や人の温もりを感じる教育が多様性を育むと思う」
○…現在校長を務める名門男子校の聖光学院中学高等学校が母校。学生時代からリーダーシップを発揮し高2で学園祭運営委員長になると、集団の力の高め方を学んだ。西洋人修道士が代々就いた校長職に、49歳で日本人として初めて就任。各分野の専門家による体験学習や選択芸術講座など、生徒が自由に学べる環境づくりに励んだ。
○…座右の銘は、マザー・テレサが残した「子どもに温もりを伝える使者となれ」。42年間の教師人生で、自らが実践してきた使命でもある。「教育現場で生徒と悩み、勇気づけることは人間にしかできない」と話す姿に、情に満ちた人柄がにじむ。
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