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神奈川区 コラム

公開日:2025.07.31

子育て応援コラム25
「国語力」の高め方 その3

デジタル機器が子どもに与える影響と「国語力」の低下

 東北大学の川島隆太教授や、お茶の水女子大学の内田伸子名誉教授は、デジタル機器の長時間利用が子どもの発達に与える影響について警鐘を鳴らしています。特に注目すべきは、「スマホを長く使う子どもほど、脳の『白質』の発達が阻害される傾向にある」という研究結果です。これは、情報処理や思考の基礎となる脳の部分に悪い影響を及ぼす可能性を示唆しています。

 さらに、米国保健福祉省が2024年に発表した論文でも、2歳から12歳の子どもにおけるデジタルデバイスの長時間使用が、身体活動の低下、睡眠障害、行動問題、学業成績の低下、社会情緒的な問題、眼精疲労に加えて、集中力低下に有意な負の影響を与えていると報告しました。

 つまり、スマホで手軽に情報を得られる環境では、自ら深く考え、本をじっくり読み、行間を読み解く力が育ちにくくなる。これは、デジタル機器に頼ることで、何でも「手っ取り早く」答えを見つけようとする姿勢が養われてしまうためです。物事を深く考察する力や、複雑な情報を読み解く国語力の基礎が揺らいでいると警笛を鳴らし続けています。

 今年度の全国学力調査の結果で示された読解力や記述力の低下は、スマートフォンなどのデジタル機器使用時間の長さが、読解力、忍耐力、自己表現力の低下に拍車をかけている可能性が高いことを示したのではないでしょうか。

 国語力は、すべての学習の土台であり、他者と深く共感し、論理的に思考し、自らの人生を切り拓くための根幹となる力です。お子さんの未来のためにも、この機会にデジタル機器の使い方の見直しをしませんか?

 紹介したオリジナルの論文は、まぁはすのホームページに記載をしています。

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