神奈川区 コラム
公開日:2025.12.25
子育て応援コラム30
北川進先生が教える:「無用の用」に光を当てる視点
お子さんの将来のために、つい「すぐに役に立つもの」や「効率的な学び」、そして目先の「結果」を求めてしまう―それが本当に子どものためになるのかと頭によぎりながらも。
ノーベル化学賞を受賞された北川進先生の哲学は、その常識に一石を投じます。
先生の座右の銘は「無用の用」。これは、誰もが効率的でない、価値がないと見なしていたものの中に眠っているであろう先生の探究者としての信念なのです。先生は、不安定で役に立たないとされていた物質の多孔性(穴の構造)に光を当て、MOFを実用的な革新材料へと昇華させました。
AIが効率や正解を提示する時代だからこそ、ここで、あえて少しだけ、足を休めて考える時間が必要かもしれません。お子さんの心が本当に動いているコトや場所を見つめ直すために。
「無用の用」とは、何気ない日常に溢れる「塵」のようなもの。一見無駄に見える興味や非効率なモノゴトの中にこそ、心を踊らせ未来を切り拓く革新的な価値が芽生えようとする瞬間があるのです。
では、親として何をすべきか? ヒントは、その「塵に光を当てる力を育む」ための二つの行動です。
1. 時間の提供: 目先の役に立つかを問わず、子どもが目を輝かせて夢中になっていることに時間と空間を与えること。
2. 探究の促し: 「なぜそうなるんだろう?」と、結果を求めない深い問いかけで子どもの思考を触発すること。
子どもが自身の「無用の用」に光を当て、それを信じ抜く探究心こそが、AI時代に揺るがない、普遍的な知性の土台となります。
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