多摩区長尾地区と宮前区神木地区で脈々と家系を受け継いできた井田家が今月4日、江戸時代初期に没した先祖を供養する400年法要を妙楽寺で開いた。井田家の子孫が親睦を深めながら、先祖を偲んだ。
参加者が思いを馳せたのは、1615(元和元)年に没した小田原北条氏の家臣、高橋帯刀。北条氏が滅びた後、出家して「道清」と名乗り、現在の多摩区長尾に移り住んだという。死後、子孫が井田姓に改名したとされる。子孫は名士も多く、中でも井田文三(1853―1936)は明治時代の自由民権運動家として知られる。
両地区には現在、井田姓は100世帯ほどあるという。1973年に「道清」の墓碑を修理したのを機に、長男系統の家系を中心に親睦会を発足。多い時には会員が50世帯にも上り、旅行や観劇などで交流を深めてきた。ただ2代目がこの地を離れるケースもあり、徐々に会員が少なくなっているという。
4日に行われた法要には親睦会の子孫約40人が参加。妙楽寺に納められている道清の木像が開帳され、墓碑を前に次々と手を合わせた。
親睦会の井田正敏会長は「道清様は時代の狭間に生き、そして新しい時代を切り開いた。この400年の歴史を誇りに感じる」と話す。
長尾町会の会長などを務めた井田肇さんは「先祖があってこうして暮らすことができる。伝統を大事にしていくことはいいこと。これからも絆を守っていきたい」と話している。
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