連載第十回 宮前歴史探訪記 宮前区の30%は軍用地でした【2】 青少年の家のお化け灯篭
現在の青少年の家は、以前は陸軍東部62部隊の将校集会所で、庭には今もお化け灯籠が残っています。もとは六本木の兵舎(現在の東京ミッドタウンの位置)の庭にあり、夜な夜な六本木周辺に出没するという噂が立ったので、動かないように足を切ったと言われていたそうです。しかし、真相は掘り返してみないとわかりません。また、豊臣秀吉の朝鮮侵略の戦利品だと吹聴されていましたが、2018年に専門家が調査したところ石材は伊豆半島産の安山岩だったそうです。なおベストセラー『学校の怪談』シリーズ第 13 巻『幽霊に呼ばれた校長先生』《発行1993年、ポプラ社》には萩坂昇さん(川崎の民話作家)が「おばけどうろう」の話を執筆されており、「帰ってこー、帰って」(戦争に行っても死ぬな。生きて必ず帰って来い)と書かれています。2018年、第1回川崎市地域文化財に申請し登録されました。現在は新しく説明看板(2020年)も作りなおされ、青少年の家の庭で平和を願い、青少年の健やかな成長を見守っています。
みやまえ・東部62部隊を語り継ぐ会・山本太三雄
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