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公開日:2025.07.18

アゼリアの点字ブロック
視覚障がい者「願い叶う」
主要駅つなぐ経路設置へ

  • 警告ブロックが整備されたアゼリアの地下駐車場につながる階段

 川崎駅前の地下街「川崎アゼリア」(川崎区)の構内で、視覚障がい者の安全確保のための点字ブロック設置に向けた調整が続いている。障がい者団体が福田紀彦市長に10年以上、要望を続けてきたものだが、JR川崎駅から京急川崎駅へ向かうルートが、ようやくつながろうとしている。

 7月4日、川崎市と川崎アゼリア(株)、そしてNPO法人川崎市視覚障がい者福祉協会(以下協会)の3者が集まり、アゼリア構内での新たな点字ブロック設置について今後の方針を確認した。今春に設置した地下駐車場に向かう階段の設置に続き、JR川崎駅から京急川崎駅をつなぐルートや、市役所方面をつなぐルートを点字ブロックでつなぐ方針という。

 アゼリアには、平日でものべ約27万人の往来があるが、構内にほとんど点字ブロックがないため、協会が10年以上前から福田市長あての「要望書」の中で訴えてきた。協会関係者は「やっと安心してアゼリアを歩くことができる」と喜びを語る。

 この件では、協会は市長への要望に加えて初めて市議会に請願書を提出した。これが総務委員会で採択され、本会議でも全会一致で採択。市は2025年度予算に点字ブロック整備を支援する「整備負担金」を計上。一気にことが進んだ。

「合理的配慮」義務

 協会では、アゼリアの件以外でも、2009年のNPO発足以後、毎年6月に要望書を市に提出してきた。今年の要望も多岐にわたり、「武蔵小杉駅から中原区役所へ向かう途中の交差点に音声信号機を」「田園都市線宮前平駅のホームドアの改善を」「視覚障がい者向けの老人ホームやグループホームを」など、いずれも切実な問題ばかりだ。要望は、市の庁内のほか神奈川県警など関係各方面へと伝わるが、アゼリアのように長らく動きがみられないものも、少なくないという。

 協会関係者は「要望に応えてくれることは有難い。しかし障がい者福祉に積極的な自治体と、市内の状況を比べてしまう時もある」と語る。

 さらに近年は「深刻な困りごと」も発生した。コンビニやスーパーのセルフレジ、飲食店などのモバイルオーダーだ。音声ガイドや点字で機能を補わない限り、「情報が得られず、お手上げの状態」と訴える。

 昨年4月には、障がい者に対する「合理的配慮の提供」を義務化した改正障害者差別法が施行された。障がい者が「社会的バリアーを取り除いてほしい」と意思表示した場合、事業者側は、合理的に対応する必要がある。

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