宮前区 社会
公開日:2025.09.12
演奏家の大西夫妻
障害受け入れ、情熱届け
10月24日 チャリティコンサート
障害を抱えながら、演奏活動を続けている夫妻がいる。コントラバス奏者の夫・大西雄二さんと、ピアニストの妻・大西ますみさんだ。地元のエポックなかはら(JR武蔵中原駅直結)で10月24日(金)に開催されるチャリティコンサート(主催・日本オストミー協会川崎市支部/坂本純支部長)への出演が決まり、自宅のスタジオで練習を重ねている。
夫の言葉が光照らす
チェンバロ奏者として活躍していたますみさんは、2015年に脳出血を発症。右上下肢機能障害と診断され、右手・右足が不自由の身となった。「ピアノが弾けなくなるかと思い、失意のどん底だった」と絶望の淵に立たされる中、雄二さんから左手のピアニスト専用の楽譜があることを聞いた。「第二次世界大戦の頃、左手の音楽の父と呼ばれた著名なピアニストがいて、世の中に左手専用の楽譜が幾つもあるよ」。ますみさんに再び笑顔と意欲が戻った。
日常生活、前向きに
それから2年後、今度は雄二さんを病魔が襲う。排尿時の違和感が続き、医師に診断されたのは「膀胱がん」。摘出すれば人工膀胱(オストメイト)になることは分かったが、とまどいはなかったという。「医師を信用するだけ」。現在は腹部にストーマ(人工膀胱の排せつ口)を装着した日常生活を送っている。それでも、「もっと大きな障害と向き合っている人もいる」と捉え、気持ちは常に前向きだ。
生活に不便な面はあるが、得る学びも多いという。その一つが、人とのつながりの輪。障害者が集う場でも、ますみさんは遠慮なく積極的にコミュニケーションをとる。「障害の子をもつ母親に話しかけると喜んで受け応えしてくれて、それがうれしくて。みな強くて逆に私がパワーをもらうことも多いんです」
障害者となっても演奏家としての情熱が変わることはない。いまも全国各地に出向いては、会場を訪れた人に、感動と幸せを与え続けている。NHKの朝ドラでも話題となった『見上げてごらん夜の星を』をはじめ、幾つかのアンサンブルを今回も届ける予定だ。
昼夜2回、ミニ講座も
坂本支部長は「オストメイトに関するミニ講座も開催します。ぜひ楽しみながら知識を深めて」と呼び掛けている。
開演は、昼の部3時、夜の部7時(開場は各30分前)。入場無料。(問)同協会事務局【電話】080・8048・1932
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