2012年12月2日に9人が死亡した、山梨県の中央自動車道笹子トンネル天井崩落事故。この悲惨さを忘れず、教訓として活かしていくために、中日本高速道路(株)(NEXCO中日本・本社/名古屋市)は宮前区南平台にある同社研修施設内に事故車両を展示した。当面は社員研修のみに活用するとしているが、遺族の希望である一般公開も検討する。
国交省の事故調査で、設計・構造上の問題や設備の老朽化、点検のずさんさなどが指摘された。その後同社は安全性の向上のために改善策を施している。
今回、安全啓発室・展示室が設けられたのは、同社の研修施設。事故に遭った3台のうち一番後ろにいて5人が犠牲になったワゴン車が展示されている。崩落と火災により車体はつぶれ、残っているのは鉄の部分のみ。事故の凄惨さを物語っている。
レンタカーだった同車両は、遺族の「車両は故人の棺」という思いをうけ、同社が事故検証後、所有権を買い取り保存していた。
同社は、展示室とあわせて施設内に事故の経緯や事故後の対策などをまとめた資料室を整備した。今後3〜4年かけてグループ全社員6000人を対象に、両施設を活用した安全啓発研修を実施していくとし、「実際の車両を見ることで戒め、より真剣に安全に取り組むことに役立てたい」としている。
同施設を訪れた遺族らは「内部の人だけが見られるのではなく、一般公開してほしい」と強く要望。それについて同社は「施設内の準備態勢の課題もあり当面は社員研修に活用しながら、検討していきたい」としている。
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