今年卒寿を迎え、9月19日から福岡で開催される日本マスターズ水泳選手権に出場する現役スイマーがいる。区内在住の東海林昌子さん(90)がその人。これまで獲得したメダル数は300以上という東海林さんに、元気の秘訣を聞いた。
東海林さんは現在、NECグリーンスイミングクラブ溝の口で週3回、練習している。在籍するのは上級者コース。1回の練習で1200mから1500mを泳ぐ。60、70代が中心の同コースでは東海林さんが最高齢だ。
東海林さんは「練習が嫌だなと思ったことは一度もなくて。一緒に練習している人から『目標です』と声をかけられるのが嬉しい」と話す。
水泳を習い始めたのは定年を迎えた60歳の時。
子どもの頃から泳ぐことが好きだったが、戦時中は水泳授業が休止になることも多かった。「空襲やプールの水がなかったことも。釣り好きの父と一緒に海へ行き、よく泳いだ」と振り返る。
そのため、仕事がひと段落したときは「泳ぎたくて仕方なかった」と同クラブへ即入会した。30年間、練習を休んだことは「ほぼない」という。
「すっと背筋が伸びる」
東海林さんが練習のモチベーションとしているのが大会の出場。年間10大会出場し、獲得してきたメダルは300個以上。3月に行われた神奈川マスターズでは、50m自由形(90歳〜94歳区分)で大会新記録を更新した。
娘の松平弘子さん(57)は「スタート台に立つとすっと背筋が伸びるんです。レースの後は、『私の泳ぎどうだった?』って感想を求めてくる。その姿に応援している家族も胸が熱くなる」と話す。
東海林さんを指導するひとり、河合大輔コーチも「練習中に今の泳ぎはどうかと確認してくる。東海林さんは目標をしっかり定め、その上で無理をせず、自分のペースで練習しているところがすごい」と話す。
具だくさん味噌汁が源
東海林さんの体力を支えるのは1日3度の夫との食事。一緒に買い物へ出かけ、自ら料理する。特に、3種類以上の具材が入った「具だくさん味噌汁」「クルミのこうなご和え」「ニンニク梅肉漬け」「らっきょう」は欠かさない。「夫もフィットネスで運動している。お互いの元気の秘訣は食事かな」と微笑む。
願いは「泳ぎ続けること」
大会に出場した時、レース後に必ずプールに向かって一礼する。「『健康に泳がしてくれてありがとうございます』って心の中でね」。
ライバル達と握手をし、次回の大会出場を約束する。願いは「少しでも長く泳ぎ続けること」。90歳スイマーは、今日も泳ぎ続ける。
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