コロナ禍による長期休校で幕を開けた今年度、川崎市内でも中学高校の学習環境に大きな変化がもたらされた。「オンライン授業」に力を入れてきたカリタス女子中学高等学校(中野島)は、政府の緊急事態宣言解除後も積極的に活用。台風12号の接近が予測された9月24日は、生徒の安全を考慮し、全校でオンライン授業への切り替えを前日に決めた。萩原千加子校長(59)は「新しい生活様式へのチャレンジ」と語気を強める。
年度末の3月休校を受け、同校は中高の生徒約1100人を対象にオンライン授業の導入を決定。4月上旬、ビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」による全校生徒の授業体験とアンケート調査、教員研修など試行期間を経て、同月21日に本格始動した。
高校生はインターネットを使った授業が導入済みで、中学生には今春から学習用タブレット端末を配布する計画だったことも後押しに。遠隔授業ではチャット機能を使って生徒が教員に質問するなど、相互交流が活発になったという。1日7時間相当の授業は遅れることなく進行し、7月2日の登校再開までオンライン授業を継続した。
オンライン授業に関する5月半ばの生徒向けアンケート調査では、「これまで通り学習できた」の回答が72%、「これまで以上」が14%に上った。萩原校長は「みんなが高い意識で取り組んでくれた。予測不能な時代だからこそ、自ら考える力を養うべき。今が学ぶチャンス」と語った。
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