西明寺で焼香をあげる遺族会会員ら
市内７区の戦没者遺族会でつくる川崎市遺族連合会が10月31日、中原区の西明寺で慰霊法要を行った。例年、川崎市総合福祉センター（中原区）で同時開催する「川崎市戦没者追悼式」は中止されたが、平和への祈りを絶やさぬよう慰霊式は会場を移し、規模縮小で実現した。
当日は「密」を避け、人数を各区４人までに制限し、時間も短縮した。川崎市仏教会（渡辺新治会長）の協力を得て、会員24人が太平洋戦争で犠牲となった故人の冥福を祈った。
同連合会の安齊久男会長は「慰霊できなければ、遺族会の存在意義の一つがなくなってしまう。市内の戦没者名簿には8167人の名前がある。やらないわけにはいかない」と語った。
進む高齢化、継続に課題
川崎市遺族連合会の会員数は、記録がある1997年時点では2697人だったが、現在は1019人までに減少している。安齊会長によると近年は高齢化が進む中、年に約50人のペースで減少が続いているという。戦争の悲惨さや平和への祈りを次世代へ継続するため、孫やひ孫世代を対象にした青年部を創設するも、会員減少に歯止めがかからない現状がある。横浜遺族会など、他地域では解散を決めた遺族会もある。
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