サッカーJ1・川崎フロンターレの中村憲剛選手(40)が11月1日、ウェブ上で会見を開き、今季限りでの現役引退を発表した。
クラブ一筋18年、「川崎の顔」としてチームをけん引。会見前日の公式戦ではゴールを決める活躍を見せ、市民から「まだ早い」と引退を惜しむ声が聞かれた。川崎市は「長年の功績を踏まえ、何かしなければならない」と、功労賞を贈る検討に入った。
会見で中村選手は、引退の理由について「35歳を過ぎた時点で40歳で区切りをつけると判断した」と明かした。また、「サポーターの存在なしでは今の僕は100パーセント存在しない」と長年の応援に感謝した。
中村選手は2003年に入団。17、18年のリーグ優勝、19年のYBCルヴァン杯制覇に貢献した。16年にはJリーグ最優秀選手賞を獲得。日本代表にも選出され、10年のW杯南アフリカ大会のメンバーにも名を連ねた。10年と16年には川崎市スポーツ特別賞を受賞。ピッチ外では市内の児童養護施設への訪問など、児童虐待防止活動にも力を注ぐ。
同クラブ創成期から支えた名物サポーターの故石渡俊行さんの母親・美彌子さん=川崎区在住=は「息子が亡くなった時には自宅にお線香をあげにまで来てくれた。選手として人間的にも素晴らしい方。いつかは指導者として戻ってきてほしい」と語った。
福田紀彦市長は2日の記者会見で「このタイミングでの引退は気持ちとして受け止めがたい。川崎のことをとても愛してくださったかけがえのない存在」と残念がった。
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