中原区版 掲載号:2016年12月23日号
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市政レポートNo.82 カジノ法成立、ギャンブル依存症対策を急げ 川崎市議会議員 おしもとよしじ

 国において、いわゆるカジノ法案が成立しました。お台場や千葉、有効な手法とする横浜でも立地検討され、経済効果や雇用、税収についての試算も行われています。その果実が、ギャンブル依存症や青少年及び地域環境への影響など”負の部分”を凌駕するのであれば、魅力的な施策ですが、残念ながら現状そこまでには至っておらず、特に、ギャンブル依存症対策について不十分と考えます。

 依存症は、家族を巻き込む病気とされ、その関係性により、依存行動が助長し、負のスパイラルに陥ることが指摘されています。その中でもこのギャンブル依存症は、生活に密接かつ違法性がなく誰もが罹患の可能性があり、正常から障害の連続に至る境界線が曖昧なため、問題が外見的に表面化しづらいのが特徴です。家族は、突然借金に直面し、心理的・社会的にダメージを受けるばかりか、治療に繋がるまで、本人・家族とも依存症を受け入れられず、手遅れになる現状も存在します。また、アルコールや薬物など、物質に起因せず、それら他の依存症に比べ実証データに乏しく研究も進んでいません。また、大規模な実態調査も日本では行われておらず、2013年に厚労省の飲酒調査の一部として行われた推計値から、推定有病率が人口の4・8%、全国の推定人口で536万人に疑いがあるとされています。本市人口に当てはめると、およそ6万人弱の有病者がいるとされますが、平成26年の相談件数は22件で、他の依存症も含めた家族向けセミナーも合計18回開催とその体制構築も乏しく、市域内に自助グループも存在していません。前述の推定有病人口も536万人ですが、当時、同省の患者調査において全国の患者数は500人未満と、この数字からも医療機関を受診しない患者も多いことが伺えます。その背景には、依存症という認識を持ち難いことや相談窓口をはじめ入り口から出口まで行政の体制構築が出来ていないこと、医療機関が不足し、支援体制も確立していないことなど様々な指摘がされています。また、家族への支援体制充実、多重債務への各種相談支援団体や国・自治体との連携、財政措置への対応などの課題も山積しています。

 実施法制定後、区域の指定やその運営業者の選定、施設整備期間を踏まえると、2021年頃のカジノ開業が視野に入っており時間的猶予がありません。本来なら現在も前述のような顕在化する課題点への対応から始めるべきで、設置の議論は時期尚早でした。具体策を政府に丸投げした法案に踊らされる事なく早急な取り組みを促すとともに、他の懸念材料も含め本市の対応を質して参ります。

市議・押本吉司

http://www.oshimoto.info/

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