市政レポートVol.8 感謝の気持ちで『食品ロス』削減を! 川崎市議会議員 吉沢 直美
世界的な社会問題『食品ロス』に対し、各国で様々な取組みがなされています。フランスでは、世界初の『食品廃棄禁止法』が大型スーパーに対して施行され、売れ残った食品の廃棄を禁止し、廃棄量に合わせ罰金が徴収されます。また、スペインでは街中に『フードシェア』という地域共有の連帯冷蔵庫が設置され、住人が余った食材を入れて誰でも自由に使える仕組みが存在しています。
国によっては食品が飽和状態になっている一方、今でも食糧不足に悩む国もあります。飢餓で苦しんでいる人への食糧援助量は年間約380万トン。日本ではその1・7倍の食べ物が捨てられています。これは、国民一人一日あたりに換算すると、お茶碗一杯分にもなります。日本の国民一人当たりの食品廃棄は世界で6番目、アジアでトップです。
食品ロスを減らすために我が国では『食品ロス削減推進法』が昨年10月1日から施行され、国民運動として食品ロス削減が推進されています。その中で、京都市では先進的な取組みを先駆けて行っており、私は同会派の環境委員である松原議員、矢沢議員と共に京都市へ視察に行き、また12月議会の我が会派の代表質問でも、食品ロスについて担当しました。
◆京都市の先進的取組み
京都市は、ごみを約300項目に分類し排出実態を把握する『ごみ細組成調査』を民間事業者に委託して行い、京都大学にその分析を依頼しています。この『ごみ細組成調査』により、ごみの内訳が分かり、具体的な総量も分かる為、具体的な対策が立てられるようになるのです。国でも掴んでいなかった具体的な数値の把握を京都市が先行して行った結果、家庭ごみの約4割が生ごみで、そのうち約4割が食品ロスであることが分かり、事業ごみも同様の傾向であることが判明しました。食品ロスは、野菜の皮などの調理くずに比べ、発生抑制が可能であり減量を見込めるものなので、まだまだ削減向上の余地があると言えます。本市でも、実効性あるごみ減量施策の企画・立案に対し、このような具体的数値に対する調査をすべきと、私は議会で取り上げました。
◆30・10(サーティ・テン)運動
新年会等の宴会が多いこの時期に、是非皆さんに行って頂きたい運動である『30・10運動』をご紹介します。宴会時に出る大量の食べ残しをゼロにすることを目指した運動で、乾杯後30分は席を立たずに料理を楽しみ、お開き前10分間は席に戻って再度料理を楽しむというものです。残った料理もできれば持ち帰りをし、食べ残しを無くすことを目指します。京都市では「なるべく残さず食べよう!」の声掛けにより、宴会で食べ残しが約5分の1に減ったとのことです。声掛けの重要性が伺えます。私も最近参加させて頂く新年会等の際に、この運動についてお話をする様、心掛けております。
主婦目線で言うと、食べ物の「もったいない」を見直せば、経費や家計の節約にも繋がります。私たちの命をつなぐ食べ物を決して粗末にすることなく、感謝の気持ちでいただかなければなりません。一人ひとりが出来るところから食品ロスの削減に取組み、お財布にも地球にもやさしい取組みをみんなで始めましょう!
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4月19日
4月12日