川崎市は今月8日、中原区内の市立小中学校6校を高潮時の緊急避難場所に指定した。台風などにより東京湾で高潮が発生した場合、区内一部で浸水が起こる可能性があるため。これまでは川崎区の一部のみで、中原区では初。市は今後、市政だよりでの周知や避難所運営会議と連携し、備える予定。
指定されたのは玉川中、玉川小、下沼部小、平間中、下河原小、平間小。国内観測史上最大規模の台風が発生した場合を想定。神奈川県が水防法の改正を受けて2019年に作成した「高潮浸水想定区域」のうち、市が過去に調査していた「津波」に耐えうる学校を高潮の場合も避難場所とした。市危機管理室の担当者は「高潮は津波よりも威力が弱いため、安全上問題ないと判断した」と話す。
区内の防災対策に取り組む丸子6町会防災連絡会の本木好幸さんは「高潮への危機意識は区内では薄いので周知が重要。避難所での行政と住民の協力体制など、課題も解決していかなければ」と指摘する。
中原区のほか、新たに幸区でも高潮時の緊急避難場所が指定され、市内では30カ所から57カ所になった。
市内では過去、令和元年東日本台風で高潮警報が発令された。市の担当者は「高潮は台風によって発生するため洪水など他の災害が併発することも多い。何か一つでも警報が発令された時点で、危機意識をもって行動してほしい」と話す。
避難階の基準変更
市は洪水時の避難所の避難階についても基準を見直し。これまで2階以上に避難するのは避難場所の想定浸水深が2メートル未満の場合だったが、3メートル未満に変更。3階以上は2〜4メートル未満から3〜5メートル未満になった。
区内では、新城小、玉川中、玉川小、平間中、下河原小、平間小、中原中、上丸子小が2階以上。下沼部小のみ3階以上。
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