4月に開校する市立川崎高校附属中学校の合格発表が2月10日に行われた。合格者は120人(男44人、女76人)。853人の出願があり倍率は7・33だった。入学試験の出題内容や実施方法から、同校が目指す教育や求める生徒像を探った。
同校が実施した入学試験は、計算問題や文章読解、作文などを含む「適性検査」2種と集団面接。
読解や記述が中心の「適性検査I」と計算や理科問題が中心の「適性検査II」について、川崎区内で同校の対策コースを設置している学習塾の講師たちは「県内外の中高一貫校と比べ、試験問題は易しかった」と口を揃える。360字から400字の作文もあり「時間配分や要領の良さが求められた」との意見や、ある教科にだけ難問を配置するような傾向もなかったため「バランスがいい」との声も聞かれた。内容としては語彙や時事の知識を問う設問は全26問中4問と少なく、逆に表を使った計算問題の割合が高かった。
また、県内にある他の中高一貫校3校(県立相模原、県立平塚、横浜市立南)では実施していない集団面接も、同校の入試の大きな特徴と言える。学力で差がつきにくかった適性検査と合わせ「現時点で学力がある子より、いろいろなことに興味を示し、積極的なコミュニケーションをとれる子どもを集めたかったのでは」と分析する塾もあった。
市教育委員会は同校で「育てたい生徒像」として▽自らの能力と個性を伸ばす高い志をもち将来の進路希望の実現に向けて主体的に学ぶ▽表現力やコミュニケーション能力を養い、多文化共生の視点をもって国際社会で活躍する▽豊かな感性や人権感覚を身に付け共に支え生きる社会の担い手として活躍する生徒――の3点を掲げている。また、2月18日に発表した施政方針の中で福田紀彦市長は「市として初の中高一貫教育により、国際都市川崎の未来をリードする人材育成に取り組む」と明言した。
川崎市の将来を担う人材の輩出校となるか。今後も動向が注目される。
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