川崎区桜本の識字学級に通う在日韓国・朝鮮人一世のハルモニ(おばあさん)が綴った生活史『わたしもじだいのいちぶです』(日本評論社)の出版を記念したイベント「つながる!かわさきのハルモニ展」が今月1日と2日、幸区大宮町のミューザ川崎企画展示室と市民交流室で行われた。
今年1月に出版された同書は、差別と戦争の時代を生き抜いたハルモニたちが、生まれ故郷の朝鮮の思い出や若かりし頃の働きづめだった生活などを振り返る。2015年に桜本商店街で行った戦争反対のデモやヘイトスピーチに対する心境なども綴られている。書籍化に際してはクラウドファンディングで支援を募り、200人以上が応じたという。
会場には、フォトグラファーの大八木宏武さんが桜本に10年以上通い続けて撮影してきたハルモニの笑顔の写真やハルモニたちが識字学級で綴った習字や絵画などが展示。戦争反対をテーマにした作文では、過去の戦争体験を筆で綴った作品が飾られた。在日一世の生活を記録した映像も流され、訪れた人たちは熱心に見入っていた。
川崎区渡田新町の大塚真一(66)さんは「ヘイトスピーチの作文が印象に残った。戦前の厳しい時代のを様子もわかった。昨今の痛ましい事件などもそうだが、差別問題は根深いと感じた」などと語った。
主催者によると、2日間で約300人が足を運び、中には札幌や静岡、神戸といった遠方から訪問した人もいたという。
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