川崎球場遺構の市文化財保存を求めた請願が今月6日、市議会まちづくり委員会で趣旨採択されたことを受け、請願代表者でフリーアナウンサーの松本秀夫さん=写真=は「市議会の方々が価値をわかってくれたことが嬉しかった」と喜びをにじませた。
33年前、スポーツアナウンサーとしてロッテを担当。来る日も来る日も川崎球場で実況の練習を積み、初芝清選手、堀幸一選手、小宮山悟選手、愛甲猛選手らと親交を深めた。「川崎球場は原点の場」という。
人づてに富士通スタジアム川崎に川崎球場の面影が残っていることを聞き、懐かしさがこみあげてきた。実際に目にし、関係者から話を聞くうちに「この球場遺構が今後も残る保証はない」との思いを抱き、署名活動を始めた。松本さんは、昭和のプロ野球を代表する藤井寺球場、大阪球場、広島市民球場、後楽園球場などの跡地には、かつてこの場所に球場があったというプレートがあるが、当時のフェンスや照明塔が「そのまま残っていること自体奇跡」という。
富士通スタジアム川崎では、川崎球場の歴史を振り返るイベントを毎年開催し、松本さんも協力する。老若男女問わず多くのプロ野球ファンが訪れ、遺構が「世代をつなぐもの」であると確信する。3月28日(土)に同スタジアムで開かれるイベントで松本さんは、元プロ野球選手やスポーツ界の著名人を招いて遺構の重要性を広く訴える意向を示す。「ノスタルジーを感じる場としての価値を多くの人に知ってもらいたい」と力を込める。
他方で川崎市にも理解を深めてもらおうと「川崎に縁の深い村田兆治さんや柴田勲さんといった野球界の重鎮と説明に伺う機会もつくることができれば」とも話す。
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