幸区南加瀬在住で差別をなくす市民運動に取り組む在日コリアン二世の崔勝久(チェスング)さんが自らの半生を綴り、多文化共生についての論考などをまとめた『個からの出発 ある在日の歩み 地域社会の当事者として』(風媒社)を出版した。崔さんは「日本の若い方に手に取っていただきたい」と語る。
崔さんは1945年生まれ。国際基督教大学(ICU)を卒業後、日立就職差別闘争や川崎南部での民族・民衆運動などに取り組んだ。2017年からは日韓反核平和連盟の事務局長を務める。崔さんは昨年、前立腺がんを患い、一時は危篤に陥ったことなどを機に出版を決めた。
同書では自身の生い立ちから在日としてのアイデンティティを求めた歩みを書き起こし、義父から受け継いだスクラップ回収業やレストラン経営など手掛けたビジネスを振り返る。
市民運動や地域社会の当事者として考察した論文も掲載。「当然の法理」を理由に、外国籍公務員の管理職昇進を阻む実態などを紹介しつつ、川崎市の外国人施策について問題提起する。「21世紀の植民地主義のイデオロギー」とした多文化共生についての論考や原発体制と多文化共生についての章もある。
同書は韓国でも出版され、在日問題を韓国社会に紹介する。299ページ。価格は1800円税別。書店やアマゾン、楽天でも購入できる。
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