今年度末の重要手続き目前に… 市政リポート JR南武線連続立体交差事業!「開かずの踏切」対策を先送りか!? 川崎市議会議員(幸区) 野田まさゆき 自民党
JR南武線連続立体交差事業の都市計画決定(※【1】)まで数カ月と迫る中、川崎市は先月突如、大規模投資的事業に関する今後の検討として、本事業を「慎重な検討と判断が必要」と、今後の社会経済状況や行財政運営の見通しによっては中断する可能性を示しました。都市計画決定という大きな節目目前での検討は、非常に残念かつ理解に苦しみます。
地域の悲願 拙速な延期判断は許されない
川崎市域の矢向駅〜武蔵小杉駅間の延長約4・5キロを高架化する南武線連続立体交差事業は、関連道路事業を含め、総事業費で約1480億円(うち川崎市負担額・約690億円)を見込んでいます。市長は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済情勢の悪化を理由に「事業(の工事着手の)検討を行うための時間を確保する必要がある」と説明します。しかし、都市計画決定を目指す本事業は、将来世代への重要なインフラ投資で、景気動向に左右されるものではありません。
平成24年7月には、矢向駅のある横浜市と南武線連続立体交差化の検討・調査を行うにあたっての相互協力の覚書を交わしていますが、今回、川崎市は独自に喫緊の都市計画決定を慎重な検討とした形です。
川崎市も認識する踏切解消の必要性
川崎縦貫鉄道計画が廃止された今、南武線は市を縦貫する唯一の鉄道路線で、川崎の発展を支え、首都圏における環状方向の鉄道輸送の一翼を担う重要な都市基盤であると、市はしっかりと認識しています。
南武線の踏切は、災害時や緊急時の東西主要道路の遮断、マスコミ報道等で「開かずの踏切」として人身事故の危険性も指摘されるなど、多くの問題を抱えています。これまで市は分断された地域の一体化や安全・安心な通行環境の構築といった利便性や安全性の向上、地域発展に寄与する高架化の取り組みは必要不可欠と再三認めてきました。
5万5千人分の署名の重みを噛み締めよ
平成18年には幸区町内会連合会から約5万5千人が署名した請願が提出され、市議会で全会一致で可決された多くの市民の思いが込められた非常に重い事業です。
市は今年度末に迫る重要な手続きの実施についての判断を次回の議会(2月議会)を目途に示すとしていますが、重みのある請願を反故にすべきではありません。
ようやく事業の全体像が見えてきた市民の思いが込められた本事業の早期完成を、今後もしっかりと市に求めて参ります。
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10月11日
10月4日