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山田清機さん執筆 寿町の人間模様14話で紹介 桜本の在日、大師の牧師も

文化

掲載号:2021年4月9日号

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行きつけのレストラン「ブラッスリー ほっぺ」(鹿島田駅前)の店主らと記念写真に納まる山田さん(中央)
行きつけのレストラン「ブラッスリー ほっぺ」(鹿島田駅前)の店主らと記念写真に納まる山田さん(中央)

 川崎出身のノンフィクション作家の山田清機さんが「ハマのドヤ街」と呼ばれる寿町(横浜市中区)で生活する人々の人間模様を綴った『寿町のひとびと』(朝日新聞出版)を出版した。全14話を収録し、川崎区桜本生まれの在日韓国人2世の岡本相大さんや大師新生教会の益巖(ますいわお)牧師といった川崎区に縁のある人も登場。地元ゆかりの本を取り扱う北野書店(幸区新塚越)では「横浜の話だが、川崎と繋がっている。身近に感じてもらえる作品」(北野嘉信社長)として店頭に並べるなど、注目を集めている。

 寿町は簡易宿泊所が集まる地区。山田さんは簡易宿泊所に暮らす人々やその支援者らを6年間かけて取材した。

 第6話に登場する岡本さんは朝鮮学校高級部を卒業するが、日本の法律では無学歴となるため、就職の口は乏しく、親戚が経営する土木会社の世話になるしかなかったという歩みが綴られている。作品ではまた、寿町の簡易宿泊所のオーナーの9割以上が在日韓国・朝鮮人によって占められていることも紹介。「日本人の最後の砦である帳場は、在日の方々が支えている。こういう人たちのおかげで生きている」と山田さんは指摘する。在日コリアンをはじめとした外国人市民へのヘイトスピーチが止まない現状について「ヘイトスピーチを行う人たちは、在日の方の日常や生活、朝鮮学校の中身をよく知らないまま、在日という塊で差別しようとしている」との見方を示す。

 これまで優等生タイプとして生きてきた山田さん。「自助努力こそ偉いと思って生きてきたが、幼少時の家庭環境でこのまちにいる人もいる。そういう人たちに努力が足らないとは言うことはできない」ことを取材を通じて感じたという。

 全368ページ。四六判で1980円。

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