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川崎区・幸区 社会

公開日:2023.03.17

連節バス使い初訓練
テロ災害対応

  • バス車内から乗客を救助した救助隊

 臨港消防署(小川晶署長)、川崎鶴見臨港バス(株)、川崎臨港警察署(仲戸川博幸署長)は3月10日、臨港バス塩浜営業所で連節バスを使用したテロ災害対応訓練を実施した。3月1日に運行開始した同バスを使った訓練は初めて。

 訓練には54人が参加。市内の公共交通機関を対象にしたテロ災害などが発生した際に適切に対応するため、消防、警察、バス会社相互の活動内容の確認と連携強化を図り、テロ災害などに対する対応を強化することを目的に行われた。

 訓練は運行中の連節バスの後部車両で何者かが催涙ガスを散布、その後、犯人は前方車両に移動し刃物で乗客を切りつけ多数の負傷者が発生したという想定で実施。

 車内後部で催涙ガスがまかれると、乗客が運転席につながる非常電話を使い運転手に状況を報告。運転手はSOS表示ボタンを使い、緊急事態の発生をバス周囲に周知した。後部車両の乗客は犯人の隙をついて後方の非常用出口から自力で脱出。「緊急事態発生」の表示を見た通行人が110番通報を行い、駆け付けた警察官によって犯人は取り押さえられた。消防車両が到着し、除染テントや応急救護所が設営され、トリアージの準備も行われた。防護服を着た救助隊が車内に取り残された乗客を救出。乗客の服には薬剤が付着しているため、まず除染され、その後トリアージし、応急処置、病院への搬送までを行った。

 訓練を振り返り、佐藤隆行塩浜営業所所長は「不測の事態の時に乗務員が落ち着いて対応できるよう、今回の訓練を参考に社員教育を徹底していく」と気を引き締めた。

 臨港消防署特別高度救助隊の松山馨太隊長は「通常のバスと連節バスでは乗客の数が大きく違い、傷病者の人数も増える。何人被害者がいてそのうち何人が病院への緊急搬送が必要か割り出すことが一番大切になる。バス会社、警察、消防の情報の連携をより密にしていきたい」と話した。

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